アメリカ時代の過去記事

2015年6月4日のブログ「見たことのない景色を求めて」

仕事をしているモチベーションの一つに、「まだ見た事の無い景色を見てみたい」というものがある。アスレティックトレーナーの仕事をしていなくても、同じ事を考えていると思う。

NBAでの仕事に限って言えば、インターンを目指した時も、インターンからフルタイムの仕事を意識した時も、同じモチベーションが根底にあった。

初めて経験するプレーオフの舞台。一つ、見た事のある景色が増えて、見た事の無い景色が一つ減った。

カンファレンスファイナルの第4戦を制して歓喜に溢れるコートの上で記念のシャツと帽子を渡され、降り注ぐ紙吹雪の中、喜ぶ選手、コーチ、そして観客を自分でも驚くくらい客観的に眺めていた。「なるほど、こういうものか」と(こんなものか、ではない)。また一つ、見た事のある景色が増えて、見た事の無い景色が一つ減った。

今はファイナル第1戦が行われるオークランドへ向かう飛行機の中。このシリーズが終わる時、どんな気持ちを抱くのだろうか。2つのチェックボックスに印が付いたケースでも「またここに戻って来たい」と思っていてほしい。モチベーションの数は、多ければ多い方が良い。

チームに雇われている身として、チームの成功は喜ばしい事だし、毎日関わっている選手やコーチが喜んでいる姿は見ていて嬉しい。でも、自分の仕事はチームの勝ち負けが直接的な第一の目的ではないし、そうであってはいけない状況だってある。