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ロゴに込められた想い

独立を考え始めた時、既に決まっている事がありました。
それは、事業のロゴデザインを頼む相手です。

●▲■(マルサンカクシカク)

その人とは、建築とデザインを専門とする事務所●▲■(マルサンカクシカク)の吉川和博。
僕の原点である高校時代のエピソードを書いたエントリーに出てくる、僕の人生最大の壁となって立ちはだかった、あのスタメンSGの彼です。

僕が築き上げてきたモノをぶつける、このTMG athleticsという事業。そのロゴを自分の原点を原点たらしめた人以外の誰に依頼できるでしょうか。

2017年の年末、彼に帰国のプランを伝え、同時にロゴ制作の依頼をしました。その後、まだ漠然としていた事業のアイデアとその元となる想いを年明けのカンファレンスコールミーティングで彼に伝えました。熱い想いばかりが先行してしまい、まとまりのない僕のプレゼンを聞いてくれた後に、「分かった、アイデアを練ってみる」と言ってくれてから一か月強、最初の草案が届きました。

デザインコンセプト

最初のページは、僕のまとまりの無いプレゼンから彼が掬い取ってくれた3つのデザインコンセプト。

言葉に出来なかった想いをここまで簡潔、適格に表現し、デザインのコンセプトに繋げてくれるとは想像すらしていませんでした。というか可能だとは思っていませんでした。

この時点で、実際のロゴ案を見る前に「こいつに頼んでよかった」と心から思いました。

ページをめくって飛び込んできたのは、このエントリーのアイキャッチ画像として載せた、墨で描かれたいくつもの丸、丸、丸、、、硯に向かう彼の真剣な眼差し、一つ一つの丸に込めた筆の圧が伝わってきました。

そして、実際のロゴデザイン。ここまでの過程で既に予感はしていましたが、一目見て、これだ、と確信しました。こいつとなら、ずっと一緒に歩んでいける、歩んでいきたい、と。

その後、文字のフォントや色合い(真っ黒じゃないんです)、位置、事業の柱ごとに使い分ける色等をミーティングを重ねて調整し、今のロゴが完成しました。

20年前、何度も何度も「悔しい」では現しきれない思いをさせられた元チームメイトは、20年後、デザインの専門家として、僕が言葉にできない想いを掬い取り、それを表現、具現化してくれました。

ベストは一つしかない

デザインの依頼をする時、ロゴのイメージというものが一切無かった僕は、候補となる案を3つ提示してもらって、そこから選んで調整していくという形をお願いしました。それに対する彼の答えは「最初から複数案を提示するというのは難しい、なぜならベストは一つしか無いと思っているから」というものでした。ベストな一つを提案し、それがイメージと合わなければ、修正ではなくゼロからやり直し、打ち合わせを重ねてまた新たなベストを提案する。そして、クライアントが「これだ」と思う提案に、無制限で修正を重ねて仕上げていく、というスタイル。この愚直で真摯な彼の流儀が、僕の「これだ」に一発で辿り着いたのだと思います。

僕が関わっていく方達は、このロゴを目にする事が多くなると思います。事業の一部、というよりも、僕の一部であるこのロゴに込められたストーリーを共有したく、このエントリーを書きました。