セミナー報告

講演会報告「熱中症の予防と対応@浜松商業高校」

5月末まで遡りますが、浜松商業高校にお招きいただき、約1000人の生徒たちと教員の方々を対象に、「暑い季節の体調管理について」というタイトルで講演を行いました。SNSでの活動報告はしてありましたが、気温が上がってくるこの時期に合わせてこちらでも再度アップします。

講演会の内容

テーマは熱中症の予防と対応でしたが、時間が限られていた事+学業と部活で疲れている生徒たちに長時間の話は難しいので、熱中症の中でも最も重度な労作性熱射病に焦点を当て、クイズ形式で現時点の知識と認識を大まかに確認した後に話を進めました。

一番強調したのは、熱射病への対応は時間との戦いであることです。そして、労作性熱射病の対処法として唯一有効である全身冷却を行うために必要な器具は必ずしも専用の高価なものである必要はなく、子供用のプールに氷水を張って準備しておいたり、水が漏れない大きなブルーシートに患者を乗せて、そこに氷と水を流しいれる事で可能になるという話や、慢性的な脱水症状を避けるために、尿チャートや体重をつかった自己管理の話もさせていただきました。

嬉しかった教員の反応

何よりも嬉しかったのは、僕が話を終えたあと、司会を務めてくださった先生が講演会終了の挨拶の中で「うちの部では話に出てきた用具を購入する事を決めました」と全校生徒に向かって話をしてくれたことでした。

正しい知識は、それを「実践」する事によって初めて意味をもちます。これから急に暑くなる事が予想されます。例年よりも気温が低い日が続いていて身体は熱に慣れていない可能性があるので、急激に気温が上がった日は一層の注意をし、予防の意識を高め、部活動などでは運動量や強度の調節をする事が大切です。そして、迅速な対応ができる環境を整えておくことが生死を分けるという事実を再認識しておきましょう。

スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック

日本スポーツ協会によってまとめられた具体的な予防法などが、下記リンクからダウンロードする事ができます。是非一度、目を通し、実践に繋げてください。

https://www.japan-sports.or.jp/publish/tabid776.html#guide01